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5月のテーマ:『経営のプロ育成トレーニングのすすめ』


ビジネス書の売れ行きが悪いと編集者たちはいう。筆者の出版企画を断る口実なのかとも思ったが、実は根が深い。かっての日本のビジネス社会では、理論や議論を書生臭いといって敬遠した。今でもこのような風土が残っている。

また、マネジメントの勉強をしても実務には役に立たない、と思っている向きが意外に多いのは事実だ。何故こうなったのか。大学教師の現実感覚欠如に基づく理論偏重、ビジネスの場での現場偏重など、幾多の原因が考えられる。このような背景から、日本のビジネスパースンは会社経費で購入する以外は、自腹を切って本を買わなくなっていると思うがどうか。

米国ではビジネススクールがマネジメントを学ぶ機関として機能しているし、そこでの勉強の成果が直接年収に影響する。ビジネススクールで習得したマネジメント知識や戦略発想がビジネスに役立つものと認識されている。言い換えれば、ビジネス書で学ぶことが実益を伴うのである。

だが、グローバリゼーションとメガコンペティションの中で、21世紀型企業として生存していくには、これまでの現場重視・戦略不在型経営、効率重視・非創造型経営、階層的集権組織・非水平的分権組織から脱却しなければならない。つまり、(1)戦略重視(2)創造重視(3)分権的ネットワーク重視へと移行することが求められる。

ところが、トップのリーダーシップによって改革を実現しようとしても、ソニーなど一部の企業を除いて人がいない。事業のプロは存在するが、経営のプロがいないのである。そこで、経営のプロを育成するために次の4つのトレーニング方法を提案したい。
  1. ビジネススクール活用法 欧米のビジネススクールのエグゼクティブ・プログラムなどに参加させる(ボード入りあるいは執行役員になる以前に)

  2. 社内コンペ法 モデル企業を徹底的にケーススタディさせ、自社の改革案を提案させる(いわば、マネジメント革新の社内コンペ)

  3. コンサルタント活用法 戦略コンサルティング会社による問題解決型戦略研修あるいはコンサルティング・プロジェクトに参加させる(筆者は戦略コンサルティングの導入が、トップや幹部育成に効果があることを実感している)

  4. 社長体験法
    子会社、関連会社の社長を経験させる(1〜3を経て仕上げとして実施することが望ましい)
上記のトレーニングを成功させるポイントは、経営トップ候補の早期選抜体制を確立し、30代後半から40代前半の間に敗者復活を含む複数のチャンスを与えることだ。そして、ヘッドハンティングが行われる経営トップ市場で競り勝つ企業体質を、一日でも早く構築することである。



【竹生孝夫(ちくぶ・たかお)】



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