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8月のテーマ:『リーダーの条件を問う』


米国でオーディナリー(ごく普通の人)と呼ばれる自民党総裁が誕生した。また、この6月末の株主総会でも様々なタイプの社長が登場した。この機会に、改めて日本におけるリーダーとは何かを問い直したい。

ドラッカーによると、一流のリーダーは下記の5点を自問自答し実践していたという。つまり、
  1. 「何をしなければならないか」
  2. 「自分に何ができるか、何を行うべきか」
  3. 「組織の使命と目的、成果は何か」
  4. 「部下の多様性、強みをどう活用するか」
  5. 「正しいことよりも、人気取りに走っていないか」
この5点である。

上記を言いかえると、一流のリーダーは次の4点を実践しているといえよう。
  1. ビジョンの提示
  2. 優先順位付け
  3. 組織の理念、規範の確立と浸透
  4. 実践のための組織づくり
ところで、日本の政財界のトップを上述した4点の視点から評価するとどうなるか。筆者は、1〜3が弱いと思う。歴史を見ると、戦国時代のリーダーシップをもつ殿様の時代から、江戸の泰平の時代を経て殿は神輿に担がれることが当たり前になった。経営トップも戦前や戦後まもなくは、リーダーシップが発揮された時期であった。だが、高度成長期を経て右肩上がりの環境下では、"戦略なしの現場主義"で通用したためか、神輿に担がれるトップが多くなったようだ。

低成長下で企業間成長格差が顕著になりつつあるが、筆者はその背景には経営トップのリーダーシップの差があると思う。つまり、上記の1〜3に基づく戦略の有無が業績の差になっているのだ。

では、リーダーシップのないトップの下にいる人達は、将来を悲観すべきなのか。幸いドラッカーの次の言葉を聞くと安心する。

"「生まれつきのリーダー」は存在せず、リーダーシップとは後天的に学び取るものである。また、リーダーとしての「個性」「スタイル」「気質」などは存在せず、唯一の共通点はカリスマ的でないことだ。"

現在の経営トップには、上記を参考に自助努力を期待したい。次の世代のトップには、是非世界に通用するリーダーシップを身につけることを望む。そのためには、世界の一流企業に比べて遅れている取締役クラスや役員候補に対するトレーニングが不可欠である。



【竹生孝夫(ちくぶ・たかお)】



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